追悼「馬、競馬をこよなく愛された」エリザベス女王のお茶目な一面

それまで室内でテレビ観戦をされていたエリザベス女王が、双眼鏡を片手にスタンドの最前列まで一目散に駆けられていく。
そしてゴールを見届けると、勝った馬を指さしながら、隣にいるご婦人に「私、あの馬に賭けていたのよ」「いくらもらえるかしら」と、興奮した面持ちで話しかけられた。
それから、お付きの人に祝福され配当金を受け取ると、満面の笑みを浮かべられた。
その無邪気な笑顔がとても素敵で、何とも言えず、微笑ましかった。(⌒∇⌒)

そんな、エリザベス女王が心から競馬を楽しまれている姿をテレビで拝見したことがある。

古くからイギリス王室と馬との絆は深い。
なかでも、エリザベス女王は4歳の時にポニーをプレゼントされて、馬のことが大好きになられ、5歳の時から乗馬を始められ、若かりし頃は騎手としてレースにも参戦されたことがあるとのこと。

また、女王は馬主としても多くの競走馬を所有されていて、その愛馬がG1レースやクラシックレースに勝利もしている。
その愛馬の中にフランスのオークスに勝利した「ハイクレア」という馬がいて、その馬をひいおばあちゃんに持つ馬が、日本競馬史上最強と言われる「ディープインパクト」だ。

競馬ファンの私ではあるが、この話を聞くまで、エリザベス女王の愛馬の血が、ディープインパクトに引き継がれているということは知らなかった。

エリザベス女王は、このディープインパクトに強い関心を示され、自分の所有馬を日本に送り込み交配させ、その子供たちの活躍を喜んでおられたとのこと。

エリザベス女王杯

エリザベス女王は1975年に初来日された際、日本での競馬観戦をとても楽しみにされていたのだが、警備上の都合により、それは叶わなかったとのこと。
けれども、女王の来日を機に、それまでヴィクトリアカップという名で開催されていたレースを、翌年から「エリザベス女王杯」という名に改称されて行われることになった。

その「エリザベス女王杯」は、今週の日曜日に阪神競馬場で開催される。

今年で、もう47回目になるという。

競馬を愛され、イギリスと日本の競馬の架け橋になられたエリザベス女王。

「最近は、日本の馬も強くなったわね」

「でも、まだまだ、私の愛馬には勝てないわよ」

そんなことをつぶやきながら、天国から見守ってくださっていることでしょう。

ご冥福をお祈りいたします。