F I R E を目指す
先日、ある集まりに参加して、一人の若者から「FIREを目指している」という話を聞いた。
私自身、FIREの意味はなんとなく知ってはいたが、改めて調べてみると、
FIREとは、Financial Independence,Retire Earlyの頭文字を取ったもので、経済的自立と早期リタイアを意味するものです。
と書いてある。
その若者は20代半ばぐらいのように見えたが、もう既に、現在勤めている会社を、・・年の・・月に辞めるということまで決めていて、FIRE後の生活のことを考えて、投資もしていると言っていた。
その投資も一攫千金を狙うような投資ではなく、長期に渡り積み立てて運用するという比較的堅実な投資をしているとのことで、その計画は、現実味のあるもののように思えた。
その若者の知人には、資金を貯め、既に会社を辞めて、自分が好きなイラストを描くことに専念している人もいるとのことだった。
私は彼に尋ねてみた。
「どうしてFIREをしたいの?」
「FIRE後はどうするの?」
すると、彼から「自分が住みたいところに住んで、やりたいことをやって生きていきたい」
「全く働かないというのではなく、他の仕事もいろいろしてみたい」
「たとえば、今思っているのは、少人数だけど、とても効率のよい働き方をして成果を上げている会社があるので、そんな会社で、アルバイトでもいいから働いてみて、どんなシステムになっているのかを確認してみたい」というような回答があった。
転職、脱サラ、私(現在62歳)が生きてきた道に、ちょっと似ている
私は「面白いことを言うなあ」と思いながら、彼の話を聞いていたのだが、それって「俺の生き方にちょっと似ているなあ」とも思った。
私自身は、もう既にFIREではなく、正規の定年(笑)を迎えた年齢になってしまったが、これまでの人生で、転職を5回経験して、最後は、脱サラして独立までした。
転職の理由は、その時々にあるのだが、その一つに「他の仕事もしてみたい」という思いもあったし、独立したのは、「自分がやりたいようにやってみたい」という思いがあったからだ。
同じ仕事を何年もやっていれば、だんだんと飽きてくるし、他の仕事もしてみたい、他の世界をみてみたいと思えてくるものだ。
また時には、仕事から離れて休養したいという時期もある。
実際に私は37歳の頃だったかな、半年ぐらい仕事をしないで、休養していた時期があった(⌒∇⌒)
その後、再再々就職しようと、ある会社の面接に行った際に、「半年間、何をしていたんだ?」と尋ねられて、
「はい、休養していました」と答えたら、面接している人が、あきれたような顔をしてたなあ。
私にしてみれば「働くことに疲れたから休養していた」と、率直に言っただけなんだけど・・・・・(笑)
もちろん、その会社は不合格だった。
そんな会社は、こっちからもお断りだ!
私にも選ぶ権利がある。
話が脱線してきたので、本題に戻します。(⌒∇⌒)
まあ、私自身は、そんな調子で今まで生きてきました。
まだ、学校を出て就職したら、定年まで勤めあげることが当たり前のように思われていた時代、私のような人間は異色な存在だった。
実際に、一昨年、還暦を祝う同窓会を企画しようと5、6人の人間が集まった時、私以外の人は、卒業後一つの会社に40年ぐらい勤めているという人ばかりだった。
「よくもまあ、一つの会社に飽きもせず、40年間も勤めることができたなあ」
「よくもまあ、そんなにコロコロ仕事を変えたものだなあ」
お互いにそんな思いだったろう(笑)
ただ一人の同級生から「おまえはいいよなあ、定年がないから」と言われた言葉が心に残った。
世は変わり、現在では、普通の会社が中途募集で「他の世界を知っている人間を採用したい」とか、「他の世界を見た方が本業にも役立つことがある」ということで、副業が推奨されている時代になってきている。
私にはそんな現代の考え方の方がマッチしている。
私のスタイルは、30年ほど先を行っていたようだ(笑)。
私は、そんな私の経験を彼に話した。
F I R E を目指す若者にアドバイス
そして、君にアドバイスをするとしたら、
「若が今考えていることと、10年後、20年後に考えることには違いがある」
「今現在はできると思っていることでも、年齢を重ねていくと、体力も落ちていくし、できなくなることもある」
「そんなところかなあ」と話した。
彼は「たぶん、そうだろうと思います」と私の話を素直に聞いてくれた。
彼の話には、女性と結婚して、子供を作ってという話はなかったから、それは、考えていないのかなと思ったが、この先、素敵な女性に出会い、子供を授かるかもしれない。
人生は思うようにはいかないものだ。
私だって、20代半ばで大阪に転勤になって、もう田舎には帰ることはないだろうと思っていたが、病気になり、帰らざるをえなくなった。
そうでなければ、転職を重ねたり、独立をすることもなかったかもしれない。
まあ、思い通りにいかなければ、その時はその時、軌道修正をすればよいだけのこと。
自分の人生だ。
やりたいように生きていくのが一番いい!
私はその若者に「頑張ってな!」と声をかけ、会場を後にした。