昨日、東京競馬場で行われた「フェブラリーステークス」に、藤田菜々子がコパノキッキングに騎乗しG1に初挑戦した。
ここまでコパノキッキングは4連勝と、まだ底を見せておらず、十分、優勝が狙える位置にいた。
最終コーナーを回り最後の直線。
最後方から大外に出し、鞭を入れ追い出しにかかる。
女性ならではの、柔らかくきれいなフォームだ。
ぐんぐんと加速して、内にいる並み居る馬を置き去りにしていく。
しかし、武豊に導かれ先頭を走るインティも強く、スピードが落ちない。
インティはそのまま逃げ切り、藤田菜々子騎乗のコパノキッキングは惜しくも届かず5着。
それでも、きっちりと掲示板は確保した。
この馬の脚質を考えたベストの走りだったと思う。
女性初のG1レースへの挑戦、レース後、いつも走り慣れている東京コースだったが、緊張したのだろう、
「今日は景色が違って見えた」と、インタビューに答えていた。
小学校6年生の時に「テレビで競馬放送を観て騎手になりたい!」と思い、競馬学校に入り苦労を重ねて、その夢を実現した。
デビューして3年目、騎乗フォームも安定し、徐々に勝利数も増えてきたところでの今回の挑戦。
JRA所属の騎手で唯一の女性、それもまだ若干21歳のあどけなさの残る可憐な乙女だ。
G1レースでの騎乗となると、男性の騎手でもそうそうチャンスがあるものではない。
騎乗できただけでも大きな快挙であるが、いつの日か、女性騎手によるG1制覇も夢ではないかもしれない。
最後の直線、黄色の勝負服が、颯爽と大外を一気にかけ抜けていく姿は、美しく華麗だった。
東京競馬場に「爽やかな!」一陣の風が吹き抜けたように感じた。