・カキ棚を海に浮かべる位置は抽選で決められている。
・美味しいカキを育てるために、遠く離れたカキの種と交配させている。
・「カキオコ」の由来
カキが美味しい季節になってきましたね。
鍋に入れて、フライにして、食べ方はいろいろ、最近では、お好み焼きに入れて食べる「カキオコ」も有名になってきましたね。
私が育った瀬戸内海に面した岡山の東部地域は、カキの養殖が盛んなところです。
近所の人から「カキを一斗缶で買ってきたからおすそ分け」というのも、この地域ならよくある話です(⌒∇⌒)
高校生の頃、冬になると財布に札束が入っている友達がいて「何をしているんだ?」と尋ねると「かき打ちのアルバイトに行っている」というような話もありました(⌒∇⌒)
※一斗缶 約18Lの容量の四角い缶のことです。
かき打ちとは、かきを、道具を使ってむき身にすること
私がまだ若かったころは、近所のおばちゃんもパートでかき打ちに行ったりしていましたが、最近では、日本人はそういうしんどい仕事を嫌うようになり、東南アジアから来た研修生もやってくれているみたいです。
他にも同級生で、家がカキの養殖をしているという人が何人かいました。
そんな場所で育ったので、子供の頃からよくカキは食べていましたが、カキがどのようにして生産されているのかは考えたことがありませんでした。
カキ棚を海に浮かべる位置は、抽選で決められている
10年ほど前のことになりますが、仕事で瀬戸内のある島に行った時に、カキの養殖をしている方と話をする機会がありました。
その方の話によると、あの海に浮かべてあるカキ棚は、浮かべる場所を抽選で決めているとのことでした。
場所によって、美味しいカキが取れる場所があるので、そうしているとのことでした。
美味しいカキを育てるために、遠く離れた生産地の種と交配させている
また、同じ地域のカキばかりで交配させるよりも、遠方の地域のカキと交配させたほうが美味しいカキが育つとのことで、宮城県のカキと交配させているという話も聞きました。
私は、なんだかサラブレッドの種付けみたいな話だなと思いながら、興味深く聞いていました。
その後、東北大震災が起きて、宮城県のカキの養殖業者が壊滅的な被害を受けた際には、交配等で以前から付き合いがあった瀬戸内海の養殖業者が、カキの養殖の復興の手伝いをされたという、心温まる記事を新聞でみかけました。
カキオコの由来
最近、有名になってきたカキオコは、カキの養殖が盛んな備前市の日生(ひなせ)のお好み焼き屋さんでは、以前から出荷できなくて余ったカキをお好み焼きに入れていたそうで、それを食べた人が「これは美味しい!」ということで、思案の末「カキオコ」と命名してPRを始めてから、だんだんと広まってきたとのことです。
山から海に流れ入る良質の水
もう一つ思い出しました。
フランスでは、美味しいカキを養殖するには、山から海に流れ入る水を良質にしなければいけないということで、山を整備して土を肥えさせているという話も聞いたことがあります。
食欲の秋、そんな生産者の努力に思いを馳せながら、美味しくいただいています。(⌒∇⌒)