「刀」と聞いて思い浮かべるのは、侍、武士の戦いというところでしょう。戦国の世だと、自分の命と同じぐらい大切なものだったと思われます。
しかしながら、それ以降の時代においては特に必要なものでもなく、一般の人にとっては縁遠いものだといえるのではないでしょうか。
備前で育った私の家には、父親が愛蔵していた刀が一振りありますが、それも、父親が亡くなった後は、大切に押し入れに保管しているだけで、取り出して見たこともない、という始末です。
刀剣女子
5年ほど前のこと、中学生の娘から「友達と長船刀剣博物館に行きたいので車に乗せていってほしい」と頼まれました。
「えー中学生の女の子が刀を見たい」「どういうこと?」と怪訝に思った私が聞いてみると、なんでもアニメと刀がコラボしていてそれを見に行きたいのだという。
「えーそんなものがあるのか?」とオジサンの私にはよくわからなかったが、「どういうものなのか私も見てみたい」と興味がわいてきて「あーいいよ」と連れていくことになった。
それは「真剣少女の日本刀展」という展覧会だった。
それぞれの少女には刀の名前がついていて、アニメの絵と一緒に、たくさんの名刀が展示されていた。
「えらい時代になったものだなあ」
「数々の名刀を作り出した刀匠たちは、このようすをどう思っているだろう」
「さぞかし、苦々しく思っているのだろうか」
いや、それでも、「戦国の世が終わった後は、刀が脚光を浴びるということはなかったのだから、この現象は喜ばしいことではないのか」「刀匠たちも喜んでいるかもしれない」・・・・・とも考えられるのだ。
一振り一振りじっくり見ていると、それぞれ反り方は違うし刀紋も違う。刀身が光輝いている姿は美しい。
こんな美しさを見せられると、現在「刀剣女子が増えてきている」ということもうなずけるような気がする。
刀剣の里 備前長船刀剣博物館
ここ「備前長船刀剣博物館」は、日本刀を専門で展示する全国でも珍しい博物館です。備前長船の名刀の展示の他、鍛刀場、刀剣工房があり、一般に公開されているので、鍛造から刀ができるまでの工程を順に見学することができます。
日本刀の美しさ、日本刀ができるまでの工程をぜひ見に来てください。
備前長船刀剣博物館へのアクセス
備前長船刀剣博物館には、岡山方面から来られる場合は、国道2号線を走り備前大橋を渡り数百メートル走ると左側に「長船サービスエリア」が見えます。その右側に「刀鍛冶の看板」が見えるとすぐに「船山」の交差点がありますので右折します。姫路方面からだと左折になりますね。
備前長船刀剣博物館で刀の魅力を堪能去れた後、備前焼の里、伊部(いんべ)を訪れるのもお薦めです。(⌒∇⌒)
博物館から伊部までは、約6kmです。