「こんなモダンな家が建てたい!」「あの駅前のマンションがいいな!」「土地は広いほうがいいな!」
「中古マンションを買って、自分の好みにリノベーションして住みたいな!」・・・・・・
憧れのマイホームには夢が膨らむものですが、高価な買い物になるため、自分たちの財布としっかり相談しておかないと、せっかく手に入れたのに支払いに追われ、新居での生活が重苦しいものになったり、最悪の場合には手放さなければならなくなったりもします。
「いくら借りられるのかではなく、いくらなら返済できるのか」を考えるべき
ここ数年の低金利で、かなりの金額が借りられるようになっていますが、要は「いくら借りられるのか」ではなく、「いくらまでなら無理なく毎月の返済ができるのか」を考えるべきです。
仮に、その無理なく返済できる金額が4000万円だとすると、4000万円の予算内で購入できるものを探していけばいいのです。
私は、11年間ほど住宅の営業をし、その間、多くのお客様のマイホーム新築に携わらせていただきました。
そして、その後、独立して不動産業を始めて9年が経ちました。
私たち売る側の人間が、先ず何を確認するのか。
それは、このお客様は、この物件が気に入られているけれども、「融資はだいじょうぶだろうか」ということです。
いくらこの物件がいい、購入したい、と言われたところで、肝心の融資が受けられないようでは、まさに絵に描いた餅、そのお客様にかける時間が無駄になってしまうからです。
だから、営業マンは、できるだけ早い段階で「融資が受けられるのかどうか」の確認をします。
商談の過程において、融資に不安があるお客さんから「あーしたい」「こうしたい」「値引きは?」みたいな話をされたところで、売る側はさほど真剣に話は聞けないものですが、「融資の目途は立っている」というお客さんであれば、「売る側も安心して真剣に商談に応じられる」というものです。
もっとも、長年、営業をしているベテランであれば、銀行での融資の事前審査を受けるまでもなく、お客さんと話をしていれば、「このお客様は大丈夫そうだな」ということは、ある程度は分かってくるものですが。
まとめ
自分たちであれば、「毎月このくらいの金額なら、無理なく住宅ローンの返済に回せるな」ということを、しっかりと把握して、それなら「いくらまでなら融資を受けられるな」ということを割出し、念願のマイホーム購入に向けて踏み出しましょう。
「やっぱ、先立つものは金か」
「おいおい、夢がないことを言うな」
「だって、しょうがないじゃん!」
「まあ、そういうことだな」(笑)
中古マンションの物件購入からリノベーションまでをご提供!リノべる。
エピソード
私が住宅営業をしていた時のことです。
モデルハウスに来場されたお客様と話をしていると、なんだか憂うつそうな顔をされている。
話を聞かせていただくと、現在、既に持ち家があるのだけれど、新たにもう一軒の新築を考えておられるとのこと。
年収から考えると、現在の家の住宅ローンを支払いながら、次に新築する家のローンも賄える計算が成り立つのだが、私には、その計画には無理があると思われ、「それをすると、下手をすると破綻しますよ」「やめたほうがいいですよ」と申しあげた。
そうすると、お客さんが「そうでしょう」「そう思うでしょう」、そのことを考えると私は夜も眠れないんだけれど、他の二つのハウスメーカーで尋ねたところ、どちらからも「だいじょうぶですよ」と言われたとのこと。
あなただけですよ、「無理だ」と言ってくれたのは。
「やっぱり無理がありますよね」、そう納得されて帰っていかれた。
おそらく、そのお客様は自分では無理があると気付いていたのだろうが、誰かに「それは無理ですよ」とはっきりと言ってほしかったのだろう。
私がそれを言ったことで「納得されたのだろうな」と思えた。
「大丈夫ですよ」と言った営業マンは、おそらくは自身の売り上げを上げるためにそう言ったのだろうが、本当にお客さんのことを考えるとき、無理があるのであれば「それは無理ですよ」言ってあげるのが、「住宅を売る専門家というものだろう」と私は思う。