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サウスポーから投げ下ろされる、鋭い矢のようなストレート、左打者から放たれる空気を切り裂くような打球、左腕一閃、鮮やかに決まるスマッシュ!

これらのことは、右利きの私にはできないこと。

私には「サウスポー」に対するちょっとした憧れがある。

それが、まさか60歳を超えてから自分自身がサウスポーになろうとは夢にも思わなかった。

本当に人生とはわからないものだ(笑)

60年余り右利きだった私が、なぜ、サウスポーになったのか。

私は3年前に卓球を始めたのですが、私は右利きなので、自然と右打ちになります。
そうすると右手ばかりを使うことになるので「これはバランスが良くないな」と考え、日常の生活ではできるだけ左手を使うように努めることにしました。

ご飯を食べる時、掃除をする時、マウスをクリックする時等々、また、左手を使うだけではなく、服を着る時、脱ぐ時も、今までとは逆からすることにしました。

すろと、まだ右手のようにはいきませんが、徐々に左手でお箸を使ってご飯を食べたり、字を書くこともできるようになってきました。

服を着たり、脱いだりは、今ではどちらからでも違和感なくできるので、もともと、どちらからそうしていたのかわからなくなりました(笑)

それでも、サウスポーになろうなんて考えはなかったのですが、1か月前に卓球の練習をしている時に、利き腕の右手を痛めてしまいました。

すぐに治るかなと思っていたのですが、これがなかなかよくならないので、このままでは長いこと卓球ができそうにない、それならば、この際「左手でやろう!」と思いつきました。

また、たまに左手で打つと、ボールの回転がいいような気がしていたし、利き腕の右手だと、どうしても力が入ってしまうのでよくないかな、という思いもあった。

それからは次の練習があるまで、自分の部屋の特設練習場で、日夜、カーテンに向かい打ち込みをしました。

今まで、右手で覚えてきた技術を左手に移行する。

右打ちではどうしていたかなと、一つ一つ動きを確認しては、左打ちでやってみる。

当然のことながら、まだ動きはぎこちないが、案外、右で身に付けた技術は左でもできるものだなと実感している。

それには、この3年間、日常で左手を使ってきたことが大いに生きていると思う。

ただ、実戦で生きているボールに対した時にどうか?

それはやってみるしかない。

どこまでできるのか、不安もあるが、楽しみでもある

今日、初めてサウスポーでやってみた。

練習に入る前に、クラブの仲間に「私は今日から左手でやります!」と宣言した。

それは、今までバリバリと右手で打ちまくっていた人間が、突然、ヨチヨチ歩きの初心者にもどるのだから「ご迷惑をかけます」という挨拶がわりに(笑)

実戦でやってみると、バックハンドは思っていた以上にできたが、右打ちの時に得意としていたフォアハンドは思っていたほどできなかった。

けれども、全体的な感触としては「サウスポーでも行けるな!」と感じた。

慣れるまで、ちょっと時間はかかるかもしれないけれども、これからはサウスポーでやろうと思う。

今までとは違う自分を体験できそうで面白そう!