先日コンビニに買い物に行った時のこと、雑誌コーナーに目をやると、
「日本人の心とスカイライン」という文字が目に入った。
足を止め、じっくり見てみると、その下には「多くの人に愛された、スカイラインの進む道」という文字が見えた。
「気になる!」
でも、だいたい書かれていることは想像できるので「まあ、いいか」とその時は買わなかった。
けれども、家に帰ってからも気になったので、次の日、コンビニに買いに行った。(⌒∇⌒)
その本は、私が若い頃、車に夢中になっていた時によく読んでいた「ベストカー」だった。
私は車に戻るとすぐにその本を開き、スカイラインの記事を探した。
すると、
クラウンに続きセダンの名車に激震!
追跡!スカイライン開発中止説
伝統のセダンを守るか、SUVで革新か、日産の決断はいかに!?
との衝撃的な見出しが目に入ってきた。
記事には、その真偽を確かめるため、日産関係者への取材を試みてみたが、おそらくは、まだ議論は続いており、結論は出ていないのかもしれないこと、「スカイラインが重大な岐路に立たされていることは間違いない」と書かれていた。
それから、それぞれの人が持っているスカイラインへの愛、思いが綴られていたり、今日までのスカイラインの歴史も書かれていた。
私がスカイラインに出会ったのは、小学生の時だった。
当時から車が好きだった私は、車の名前をすべて覚えていて、私が住んでいた近くの衣料品店のご主人が乗っていたのが、プリンス スカイラインでした。
そのご主人は、衣料品店を経営されているだけのことはあり、おしゃれな方でした。
確か、3代目のスカイライン、通称「ハコスカ」が発売されると、すぐに買い替えられれていたと記憶しています。
私はそのスカイラインを見て、子供心に「かっこいいなあ!」って思っていたものです。
次は私が中学生の時に発売された Ken & Maryのスカイライン
この時、CMで流れたメロディーは印象に残っていて、あれから半世紀近くたった今でも口ずさむことができる。
♪ いつだって どこにだって ♪
♪ 果てしない空 風は歌っているよ ♪
♪ 道の向こうに出かけよう ♪
♪ 今が通り過ぎてゆく前に ♪
♪ 愛のスカイライン ♪
Buzz ケンとメリー ~愛と風のように~
この時、まだ中学1年生だった私は、車よりも、このCM、メロディーに惹かれ、ケンとメリーのロマンスに、淡いあこがれを抱いていたのかもしれない。(⌒∇⌒)
高校3年生になると、車の免許が取れるようになり、卒業後、就職をする人たちは、車を買っていた。
ケンメリ セダン ハードトップ、ハコスカ、セリカ、サニーGX5・・・・・・・
中でも、一番人気があったのは、ケンメリだった。
私自身は進学したので、すぐに車を買うというようなことはできなかったが、その後、アルバイトをしてはお金を貯めて、19歳の秋、ついに車を買うことができた。
私の初めての愛車、それはもちろん「ケンメリ セダン」だった。
ロングノーズにサーフィンライン、7連メーター、エンジンはL20型直列6気筒、サスペンションは4輪独立懸架・・・・・とても魅力にあふれた車だった。
買うとすぐに、アルミホイールに変えワイドタイヤを履かせた。
その後も、ハンドルをNARDIに換えたり、強化サスペンションに変えて、それを切って車高を下げたり、ボディはパールシルバーに全塗装したりと、その頃は、アルバイトで稼いだお金はすべて車につぎ込んでいた。(⌒∇⌒)
当時、私は名古屋に住んでいたのだが、実家がある岡山~名古屋間を何度も往復した。
高速道路に入る時の、あの、加速車線でアクセルを踏み込んだ時の、「グォー!」という力強い立ち上がりは、ストレート6、直列六気筒ならではのものだったと思うし、高速巡行もとても安定していた。
この3代目のスカイラインのことを、皆は、親しみを込めて「ケンメリ」「ケンメリ」と呼んだ。
このスカイラインが発売された時のCMで恋人どうしだったのが、Ken & Maryであり、キャッチフレーズが、「ケンとメリーの愛のスカイライン」だった。
それが、通称として「ケンメリ」と呼ばれるようになったのだった。
車名の「スカイライン」ではなく。
こんな例は他にはないと思う。
あるにはあるが、こんなに多くの人に、そう呼ばれ、親しまれたことはなかったと思う。
ケンメリはスカイラインのファン層を拡げ、一世を風靡したが、私自身は、スカイラインを名車と決定づけたのは、2代目の「ハコスカ」だと思っている。
スカイラインの伝説は、今でも語り草となっている、日本グランプリでファミリーセダンのプリンス スカイラインがポルシェを抜いたことに始まる。
それを進化させて一般車として発売されたスカイラインが「ハコスカ」だった。
一般車と書いたが、それは見た目のことであり、見た目には普通のセダンのようにも見えるのだが、どっこい、スポーツカーに負けない高性能を秘めていた車なのだった。
そのことを例えて、この車は「羊の皮を被った狼」との異名を取った。
これは、プリンス時代からの開発者である桜井眞一郎の熱いスピリットによるものだろう。
ケンメリの後も、JAPAN・・・R32・・・・・と続いていき、現在のスカイラインは13代目になるとのこと。
私にケンメリへの熱い思いがあるように、それぞれの世代の人にもスカイラインへの熱い思いはあると思う。
というように、スカイラインのファンは、話し出すと止まらないと思う。
スカイラインに対する思い入れが強いのだ。
だから、今でも、どこかで「スカイライン」の名前を聞くと、見ると、どうしても気になるのだ!
そうなのかあ。
セダンは売れなくなって、あのクラウンでさえ変身を余儀なくされるような事態になっているのだなあ。
何年後だったかなあ。
もうガソリン車はなくなるというし。
まあ、オールドファンの一人としては寂しい思いもするけど、時代の流れというやつだろうなあ。
その本の最後に、評論家のこんな話が書いてあった。
スカイラインのユーザーは、それぞれの思い入れが強く、それが逆にスカイライン自身を苦しめたのも事実。
エンジンやデザインなどを大きく変化させられないという呪縛にとらわれた。
どんな素晴らしいスカイラインを作っても、必ず否定的な意見は出たと。
これ、わかるわあ。
そのとおりだもの。
私にも「スカイラインはこうあるべき」「それはスカイラインではない」というような思いがあるものなあ。
ちょっと反省、でも、だからスカイラインなのだ!(⌒∇⌒)
トヨタは「ハチロク」を出した。
NISSANは「ハコスカかケンメリを出せばいいのに!」と私は望んでいる。
たぶん、それは叶わないだろう。
将来、スカイラインがどういう形になっていくのかわからないけれども、魅力のある車であり続けてほしいと思っている。
「さすが、スカイラインだな!」というような。