「好きなことを仕事にする」について

先日のこと、NHKで「若者の声が聴きたい」という番組をやっていた。
その中で「好きなことを仕事にする」ということについて、様々な立場の若者が討論をしていたのを、興味深く聞いていたのだが、私もその議論に入らせていただくことにして、私の思うところを記してみます。

私の息子は高校生の時に、デザイン系の大学を受験するため、授業を終えた放課後に、デッサンの勉強をするために、遠くまで自転車を走らせ画塾に通っていた。
塾を終えて家に帰ってくるのは、夜の11時とかになっていたのだが、息子は毎日、頑張って通っていた。

私は、そんな息子を見ながら「自分が興味があること、やりたいことがあれば、頑張れるものなんだなあ」「いいことだ」と感心していた。
私には、そういうものがなかったので、羨ましくも思えた。

私自身は、特にやりたいことはなく、また、特に勉強したいこともなく、一応、大学に進学した。
そして、就職する際も「特にやりたいこともなく」一般の会社に営業として就職した。

それから、最初に勤めた会社は5か月で辞めて、その後、4回転職を重ねてから独立した。
転職を決断する時 転職の理由
独立も含めて今までしてきた仕事はすべて自分が好きなことではないし、やりたいことではなかった。
というか、自分が好きなことはないし、やりたいということがないのだから、そうなりますよね(笑)。

もちろん、仕事を離れれば、好きなことや、やりたいことは、山のようにありますけどね(⌒∇⌒)。

世の中には、私のような人は結構いると思う。
売り上げ目標に追われ、物を売っている営業の人たち、あるいは、事務をしている人たちは、その仕事が好きでやっているわけではないだろう。

世の中の多くの人は、好きなことを仕事にしているわけではないと思う。

「ただし、仕事をしていれば、面白みが出てくることもあるし、達成感や充実感が得られることもありますよね」

好きなことを仕事にするということでは、こんな話がある。

「子供の頃好きで始めた野球だが、プロの世界に入り、それが仕事になってからは楽しいと思ったことは一度もない」

これはプロ野球の世界に入り、2000本安打を達成し、名球会に入るような一流の選手が、引退した後に語っていた言葉だ。

こんな話もある。
「子供の頃から人を笑わかすことが好きで、お笑いの世界に入ったが、それはアマチュアのまま気楽にやっていたほうがよかった」
「プロになってからはプレッシャーがかかりたいへんだ」

好きなこともそれが仕事になれば、たいへんなものだ。

もっと言えば、好きだからこそ、仕事にしないという人もいる。
自分の好きなことで、苦しい思いをしたくないから・・・・・・

こんな話もあった。
もうかなり前の話になるかな、
大学野球でプロが注目している選手で、ドラフトの一巡目で、各球団からの指名が重複するだろうと思われている選手がいた。
しかし、この選手は早々に「プロには行きません」「就職します」と宣言して、その通り、ある企業に入った。

その理由は、「失敗するかもしれないプロの世界にいくよりも、会社で働くという安定のほうを選んだ」ということだった。

最後にもう一つ、まだあるんかい(笑)
私は現在、自営で不動産業をしているのですが、取引先にこんな社長がいます。
もう70歳を過ぎているような方なのですが、時間さえあれば会社に出てこられて、あの土地をいくらで買って、いくらで売ってとか、なにか儲かる話はないかというような商売のことばかりを考えておられます。
私なんかから見ていると、「お金はあるのだし、奥さんとゆっくり世界旅行でも行って来たらいいのに」と思うのですが(笑)、その社長にとっては、商売のことを考えていることが面白いみたいで、それはまるで、ゲームを楽しんでいるようにさえ見えるのです。
この社長さんなどは、「好きなことを仕事にしている」という典型だと思います。

人には、それぞれの考え方、生き方がある。

好きなことを仕事にしたいと思うのであれば、そうすればいいし、そうは思わないで、仕事は仕事、好きなことはプライベートですればいいという人もいるだろう。

このテレビ番組の討論には、中学生、高校生、フリーター、起業している人等、いろいろな人が出席して、それぞれの意見を述べていた。

夢、進学、仕事、社会貢献等、私がその年齢だった頃には考えもしなかったようなしっかりとした意見も出ていたし、「幸せな家庭を作るのが夢です」「今が楽しければそれでいい」というような、「ホッ!」とさせられるような意見もあった(⌒∇⌒)

今は、ネットで手軽に情報が得られるので、頭でっかちになる面もあるかもしれない。

私たちが若かった頃は、今に比べると、圧倒的に情報量が少なかった。
だから、わからないまま飛び込んで行き、「出たとこ勝負」みたいなものだった。

あれこれ考えるよりも、先ずはやってみればいい。

やっているうちに見えてくるものがある。

やってみて、「この道はちょっと違うかな」と思えば変えればいい。

それも「やってみなきゃ」わからない。

「自分が思うように、やりたいように生きて行けばいい」

やったもん勝ちだよ!(⌒∇⌒)

周りの人がなんと言おうが、そんなことは気にする必要はない。

自分の人生なのだから。

私がこの討論に参加していたら、そんな話をしたかもしれない。

おっさんの出る幕じゃないか(⌒∇⌒)。