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「空き家の処分はお早めに」 後回しにすればするほど難しくなる

「空き家の処分はお早めに」 後回しにすればするほど難しくなる

私は不動産業をしている。
現在、66歳なのだが、こういう年齢になると同級生から「空き家になっている実家をどうしようか悩んでいる」というような相談を受けることが増えてきた。
先日も、知人から「遠方にある実家をどうしたらいいか」との相談を受けた。
話の内容は、その家は長年空き家になっていて老朽化おり、家として売れる状況ではない。
母親が長年、固定資産税を支払っていて、高齢の母親はその家は自分の所有だと思い込んでいるとのことだった。

売れそうな場所か

その相談に対して私は、「空き家がある場所が、土地として売れるようなところなのかどうか?」
「売れそうな場所であれば、更地にして売るか、もしくは、空き家はそのままで現況渡しにして、買主側で解体をするようにするか」
また、「売れそうな場所であれば、地元の不動産業者が、喜んで売却活動をしてくれますよ」とアドバイスをしました。

※不動産業者にとって売り物件があるということは、生命線のようなものなので、売却の媒介依頼があれば、「売るためにはどうすればいいか」、いろいろとアドバイスをしてくれますよ。良心的な業者であれば。

※もし、売れそうな場所でなければ、お隣さんにお譲りすることを考えてみましょう。
仮に無償でお譲りしたとしても、以降の固定資産税は支払う必要がなくなるので、それだけでもよいのではないでしょうか。

相続はあるか

「登記上の所有は誰になっているのか?」「相続はあるのか?」いくらお母さんが「固定資産税を支払っているから私のものだ」と言い張っても、登記上の所有が誰になっているのかを確認する必要があります。また、相続があり、その登記がされていないのであれば、「相続人は何人いるのか?」「相続はスムーズにできそうか?」
その辺りを確認する必要がありますとお答えした。

私の方で調べられることは調べることにして、所在地の地番をお聞きして、土地・建物の所有者が登記上、誰になっているのか?
グーグルマップを見ると、その家が確認でき、周辺の状況を確認してみた。

※便利な世の中になったものですね、これらのことはすべて、机に座ったまま、パソコンで調べることができるのですから。

調べて見ると、周辺には学校があったり、新しい家が立ち並んでいる住宅地であることがわかり、「これなら売れそうだ」と思った。
所有者を調べて見ると、土地の所有は祖父、建物の所有は祖母であることがわかった。
お二人とも既に亡くなられているので、お母さんの所有にするには、相続登記が必要なこともわかった。

あらかじめ、相談を受けた方から「相続の方は、なんとかなりそう」と聞いていたので、ネットで信頼できそうな地元にある不動産業者を調べて、その会社に土地の査定も依頼してみた。
不動産業者からの回答は、更地であれば坪10万円ぐらいで売れる場所であるとのことだった。

相談者に、私が調べたことを報告すると、それなら売却をお願いしたいと言われたのですが、その前に、再度、相続は間違いなくできるのかをお尋ねしました。
相続が間違いなくできるのかどうか、それを確認しておかないと、売却の話が進んでから、「相続が難しい」というようなことになったのでは、すべてが水の泡になりますから。

すると、相続人は数人いて、そのうちの一人は連絡が取れるかどうか、というようなことがわかってきた。

そうであるなら「まずは、相続の方をきっちりと抑えて、目途が立ったら売りに出しましょう」ということになった。

相続登記は早めにしておこう

相続は、時が経てば立つほど難しくなります。
最初は数人だった相続人が、時が経てば、増えていくからです。
相続人が増えれば増えるほど、いろいろな意見も出てきますから。

以前、こんなことがありました。
知人から相談を受けて、司法書士に相続人を調べてもらうと、30数人の相続人がいて、その方々は、日本全国の各地にいることがわかりました。
この時は、そんなにお金になる土地でもなく、これを相続することは難しいと判断をして、手続きはしないことになりました。
何十年も放っておくとこんなことにもなりかねませんね。

令和6年4月1日から、相続登記が義務化されました。
正当な理由がないのに、相続登記の申請をしないと、10万円以下の過料が科される可能性があります。

「売主の意思確認はできるか」 売却するなら、所有者が元気なうちに

実家の空き家を売りたいと思っても、もし、所有者である親が、認知症など判断能力が十分でない場合、子が代わりに家を売却することはできなくなり、成年後見制度を利用する必要があります。
そして、居住用不動産を売却する場合は、家庭裁判所の許可が必要になります。
「こんなことになるのなら、所有者が元気なうちに売っておけば良かった」という話をたまに聞かされることがありますね。

建物が劣化する

空き家のまま長いこと放置しておくと、建物が劣化してきて、建物としての価値が下がっていくので、中古住宅として売るのであれば、早い方がよいですね。
建物の劣化がひどく中古住宅として売れないような状況になれば、更地にして売却を考えることもできますが、その場合は、建物の解体費用がかかってきますね。

管理に費用がかかる

空き家になっても、定期的に訪れて、家の傷み具合を確認したり、窓を開けて空気の入れ替えをしたり、植栽の管理をしたりして、ご近所に迷惑をかけたりすることがないよう管理をしなければなりません。また、毎年の固定資産税等はかかるし、水道代や電気代の基本料金等がかかり、それは負担になりますね。

まとめ

なんらかの事情で、実家が空き家になった場合、その家をどうするか、思い入れはあるし、家の中にはたくさんのものがあるし、ひょっとしたら将来住むことがあるかもしれないと、どうしても、結論が先延ばしになりますね、でも、先になればなるほど、上記のような問題が発生することがあり、そうなってくると、その処分が難しくなってきます。
空き家の処分は、早めに考えたいものですね。

現在、空き家は増え続けており、使用目的のない空き家は、20年間でおよそ2倍に増えたとのことです。
このまま空き家が増え続けていくと、2043年には住宅の約4分の1が空き家になるとの試算もあります。
空家を放置すると、倒壊のおそれ、景観の悪化、不法侵入などの問題が出てきますので、そうならないよう、空家は「空家法)により、適性に管理することが義務化されています。

空家法(空き家等対策の推進に関する特別措置法)
市区町村から「管理不全空家」(窓や壁が破損しているなど、管理が不十分な状態の空き家)に認定され、所有者が適性な管理をするよう指導を受けたにもかかわらず、その指導に従わず勧告を受けてしまうと、敷地にかかる固定資産税の軽減措置が受けられなくなります。

市区町村から「特定空家」(倒壊の危険性が高いなど、周囲に著しく悪影響を及ぼす空き家)に認定され、所有者が適性な管理をするよう指導を受けたにもかかわらず、改善が見られない場合、市区町村は、所有者に対して勧告や命令を行います。所有者が命令に従わない場合、50万円以下の過料に処される場合があるほか、行政による強制撤去等の対応が行われる場合もあります。
また、敷地にかかる固定資産税の軽減措置が受けられなくなります。

ちなみに、私の家の場合は、父親が亡くなった後、空家のまま17年間管理して、「母親がもう売ったほうがよい」と決断したので売却をしました。
売りに出す数年前に、家の中のものは既に片付けていました(売れてから片付ければいいやとか、解体する時に片付ければいいやと、そう考えがちですが、そうなるとバタバタしますので、時間がある時に、整理しておいた方がよいように思います)。
私の家は、父親が建ててから数十年が経っていましたが、途中、リフォームをしていたので、まだ、中古住宅として売ることができました。
現在、売却後10年近く経ちましたが、母親や姉と「あの時、売っておいてよかったね」と話しています。

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